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口々にワイワイ言う皆にじれた西門が箸を持ったまま両手を頭の上で振り回した。
「も~! 何やねん。誰が何を口止めしとんねん! 誰かさっさと教えてくれ~!」
一瞬の間の後、皆の言葉が同時に殺到した。
「テレビ出るんやで!」
「東雲や!」
「今日の7時から読〇や言うてたわ」
「俺は仙頭から聞いたわ」
「俺も。あいつ口、軽いな~」
「東雲って誰? それより! もうそろそろやんか。時計、見てみ!」
最後の声は百香だ。菜箸で天井近くの時計を指したものだから、その拍子にかき回していたタレが周りに飛び散った。もう5分前だ。
「ほんまや~! はよ食わな~! それくれ!」
「それ俺のや!」
「3つに割れ!」
なんやて! 東雲がテレビ!? 何に出るんや? そんなん知らんかったやん! いやいや、何に出てもええやんか! とにかく見な!
「はよはよ! リモコンどこや! モモ! 〇チャンにして~な!」
「自分でし~や!」
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