第12話 ネガティブ's転校生in熱血クラスメート×2

2/17
前へ
/286ページ
次へ
 うろうろと歩き回る東雲を仙頭が見上げた。 「え?」  や、家賃? そんなの知らないけど…。  東雲は驚いて足を止めた。まじまじと面長の顔を見下ろす。真顔だ。 「〇町のオートロックの分譲マンション、ファミリー用、築浅だから…」  顎に指を当て天井を見上げながら算段してる岡本にも呆れて、思わず東雲は声を上げた。 「いやいやいや、知らないよ。家賃なんて。大体、そんなこと、聞く?」 「当たり前やで。普通やん」  言い切る岡本。 「ホンマにな~。何気にセレブやな、東雲は。知らんけど」  いや、セレブとかそういう問題じゃなくて…。かなりな個人情報だろ、それ。知らんなら言うな!  ガクーっと力が抜けそうになった東雲は近くのソファーの角に座り込んだ。 「気ぃ遣って、紙コップと紙皿と割りばし持って来たんやで。ゴミはここな」  ガサガサとゴミ袋を広げる岡本。妙に気のつく男でもある。  けれど、東雲の頭の中は西門の反応で一杯だった。
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加