第12話 ネガティブ's転校生in熱血クラスメート×2

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 梅雨の晴れ間の陽射しが底抜けに明るく、よく眠れなかった目に眩しい。 「おーい、東雲」  階段に向かうと、上で井藤が手招きしていた。 「ちょ、昼休みな、体育館の裏に来てや。誰にも内緒やで」  声を潜め、東雲の肩を軽く叩く。  なんだ、それ。わざわざ? それにしてもいつもの井藤じゃないな…。  普段はちょっとへらっとしているのに、今はキュッと口元を結んでいる。 「何の話?」 「ちょっと(なご)なるから昼休みな。たのむで」  どやどやと教室から出てきた生徒たちの一団にドンと押されて、2人はよろけた。 「おう、おはよ~。井藤(いと)っちゃん、東雲。ドアの前で立ち話すんなよな~」 「悪い悪い。けど、当たってから言うなや」  井藤もワイワイ言いながら、そこに紛れて東雲から離れていった。  も~、なんでこう、体当たりしてくんのかな。関西人は。  どうも接触が多いような気がする。東雲はカバンを持ち直して教室へ入った。その日、西門は登校しなかった。事故にあった母親のことで、やはり何かと忙しいらしい。
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