32人が本棚に入れています
本棚に追加
漫才のようにテンポよく喋る二人の会話。
それって…。いつか西門や仙頭が言ってた、点数システムのことか?
「あ、点数ってやつ?!」
思わず叫んだ東雲に、二人は頷いた。
「そや!」×2。
「他のクラスや学年をガンガンにぶっちぎって、点数ガッポガッポ貯めるんや!」
井藤がヘディングするように飛び上がってガッツポーズを作ってみせた。
「でも、そんなことできるの? バスケ留学は結構な金が要るって…」
井藤が屈みこんでチッチッチと人差し指を東雲の目の前で振った。無造作なショートの茶髪が左右に揺れた。
「実はな、先輩から聞いたんや。むっちゃ前の話やけどな、ビンボーな奴がさらに運悪く難病になったことがあってな、それでそのクラスの奴らがメチャメチャ! そりゃもー空前絶後の点数叩き出してな、そいつの治療を理事長に頼んだんや」
「なるほど…」
そんなことが…。でも病気と留学じゃあ、深刻度が違うような気も…。
東雲の思案顔を察したのか、阿部が割って入った。
最初のコメントを投稿しよう!