第12話 ネガティブ's転校生in熱血クラスメート×2

13/17
前へ
/286ページ
次へ
「そや、西門、あいつはいっつも明るうて、絶対メゲへん」  井藤が後を継いだ。不満そうだった二人の表情がパッと変わっていた。 「確かに、俺と()ごて実力はピカイチや。そやけど、西門見てたら俺も負けられへんって思うんや。こうやって、バンバン人のこと遠慮せんで叩いてな」  阿部が笑いながら手を振って、西門の仕草を真似た。 「元気出せえ! 暗い顔しててもエエ事ないで、旨いモン食いに行こ! ってな」  二人は顔を見合わせてあはは、と笑った。 「あの顔見たら、悩むんアホらしなるやろ?」 「うん、確かに。それは分かるよ!」  東雲は即答していた。弾んだ声だった。  そうなんだ。それが西門のすごいトコなんだ。簡単にメゲたりしない。人のせいにもしない。何があっても、自分の力を信じてる。それが西門の強さだよ。 「そんなコト、何べんもあってん」 「俺ら、いっつも西門に背中押されてんねんな」  へへっと笑って、阿部が鼻の下を指で擦った。井藤は足でボールを蹴る仕草をする。照れてるらしい。
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加