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東雲の背中から頬まで、ジンと毛が逆立つような感覚が走った。
気持ちいいじゃん! まるで青春ドラマ。こんなのあり?! 俺って実は、こんなベタな友情シーンに憧れてたのか?
目の辺りが熱くなって、東雲は慌てて二人から目を逸らした。
「あ、それからな、これは3人の秘密やで」
「何で? D組の皆にも?」
「ほなってな、話したら皆、協力してくれるんはわかってる」
「けど、他のクラスの連中までわざと俺らに点を譲ってくれたりしたら八百長になる。それはアカンやろ」
阿部がボールでタコのできた太い指を振った。
「そっか…」
「とりあえず、ライ〇作って連絡取りあおう。点になりそうなこと、逃がしたらアカンで。それとなく、クラスの奴らに水向けるんやで。そんで、どうやったら点稼げるか、東雲も考えてくれな」
今、携帯持ってる? と井藤。
キーンコーンカーンコーン。
予鈴が鳴って、3人が一斉に顔を上げた。次は数学で担任の授業だ。慌ただしく駆け出す。
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