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首を振った拍子に仙頭の前髪が上がって細い奥目がようやく東雲を真っすぐに見る。
「ホントに?! ありがとう!」
よしっ! 人材、ひとりゲット!
東雲は拳を握った。
「ところで、どのクイズ番組に出るつもりなんや?」
東雲は問われてちょっと視線を迷わせた。
「いや、それがまだ…。これから調べるつもりなんだ」
実は東雲はクイズ番組などテンで知らない。テレビ自体あんまり見ない。
「なんや、頼んないな~。…ほな、そ~いうのに詳しい奴がおるからちゃちゃっと聞いてみようや」
善は急げと仙頭は足早に廊下の突き当りの階段に向かう。
また、ちゃちゃっと…。こいつもせっかちだな~。というか、関西人は皆せっかちなのか?
「詳しい奴?」
「クイズ研究会っちゅーのがあってな。そこの部長やってる奴」
それは好都合な! けど、待てよ…。
「そいつって同じ学年? 何組?」
ただでさえ仙頭はC組だ。点は取れても半分になるだろう。
「D組や。岡本って同じクラスに居るやろ?」
よしっ! それなら点は三分の二だ。
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