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キラッと東雲の目が光った。後ろ手に小さくガッツポーズをして彼はひょろりとした仙頭の後ろ姿を追った。
仙頭について渡り廊下を通り北側校舎の1階に向かう。文化系の部室が並ぶ一角だ。専門の教室を持つメジャーな部は準備室を部室扱いにしているところもある。今まで関係のなかった東雲は足を踏み入れたことのない場所だった。
広いガッコだよな~。 囲碁部に将棋…写真…文学散歩…鉄道研究…いろんな部があるもんだな~。でも、岡本って居たっけかな。
何となくうろ覚えのクラスメイトの顔がいくつも浮かぶ。東雲の周りにはいつもスポーツ推薦の連中が多かった。一番最初に西門と仲良くなったからだろう。前の学校では考えられないことだった。
狭い廊下の両側に思い思いに飾られたドア前の看板やポスターを珍しそうに眺めながら東雲たちは奥へ向かった。
その中で一際大きなポスターにクイズ研究会の文字が躍っている。
“来たれ!頭の柔らかい君!”か…。
「お~い、岡本おるか~? 邪魔すんで~」
「邪魔すんなら帰ってや~」
即座に中から返答があった。ふと、気になった東雲は口を挟んだ。
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