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さっきの出来事を語る仙頭の横顔を眺めながら東雲は少々ほくそ笑んだ。
「ふ~ん、二人で組んでクイズ番組にな~」
岡本は腕組みをしたまま仙頭の話を聞いていた。制服をきちんと着た姿勢の良い姿がどこか育ちの良さを感じさせた。
きっと賢コ組って言われる生徒なんだろうな…。頭良さそうだもんなあ…。
岡本は立ち上がると椅子に座った東雲を上からまじまじと見下ろした。頭のてっぺんからつま先、後ろ姿までジロジロと眺め、しばらく考え込んでいた。
「…あの…、何か?」
何だよ、コイツ。すごい真剣な目でなに見てんだよ…。
東雲は居心地の悪い思いをして少々首元のネクタイを緩めた。
「緩めたらアカン!」
「へ?」
ええ? みんな結構緩めてんじゃん。西門なんて首に引っ掛けてるだけだぞ。
「イメージが大事なんや。…東雲やったらイケるかもしれん…」
うわ、なんだ。岡本の目、キラキラ輝いて見えるんだけど…。
思わず引き気味になった東雲。その前で両こぶしを握った岡本が仙頭に大きく頷いた。
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