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「よっしゃ! 俺も組ませてくれ。三人で優勝を狙うで! ちょうど、ぎりぎりエントリーに間に合う番組があるんや。夏休み向けで結構大きなヤツやで」
ゴチャゴチャと物の積まれた机の隅から携帯電話を取り出した岡本がすごい勢いで画面をスワイプする。
「これや!」
突きつけられた画面にバーンと大きく赤文字で描かれた煽り文句。
「“全国で戦国だ! 高校生激戦激闘クイズバトル大会”?」
番組名、大げさな上に長っ! 聞いたことない。
なのに、仙頭はいきなり隣で立ち上がって大興奮だ。
「おお! あれか! ええなっ! 結構おもろいヤツやん」
「出るからには、決勝…いや、優勝を目指すで!」
「お、おう…」
ここは立ち上がるべきだよな、俺も。言い出した本人だし。
二人に気圧されながらも東雲も立ち上がった。
「やるで~!」
何でこんなにすぐに熱血するんだ、この学校の連中は。けど、こういうのも悪くないよな。全ては西門のためだ。
本日二度目の意気上げに東雲は戸惑いながらも声を合わせた。
力を貸してくれるという二人が、東雲には素直にありがたかった。
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