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「そうと決まったら、明日から合宿や」
「えええ~~~!!!」
なんだソレ! 聞いてないぞ!
血相を変えた二人に岡本はナイナイというように手を振った。
「冗談に決まってるやないか」
「驚かすなや」
仙頭も驚いたらしい。東雲と一緒に息をつく。
「………」
びっくりした。なんでクイズ番組に出場するのに合宿なんだよ。
東雲の頭の中に“?”が多数点滅したところだった。
「じゃあ、明日までにコレ、ぱっぱと見てきて。で、朝に作戦会議な。時間は短いで。ガーッと巻いていくで」
ホイホイと岡本が二人に渡した五枚ずつのDVD。
「ここ、五年間の“クイバト”の録画や。どんな雰囲気か、よ~見といてくれ。話はそれからや」
随分短くなったな、番組名。
ずっしりと手に感じるDVDの重みと岡本の口調に東雲はちょっと気おくれしそうだった。
何て言うか…。岡本の迫力凄いな…。好きなことに打ち込む奴って、皆こんななのかな。
西門が床を蹴ってシュートに飛ぶシーンが頭を掠った。自分にはないエネルギーを東雲はどこか眩しく感じていた。
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