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次の朝、東雲は寝不足の目をこすりながら早朝の学校に急いだ。帰ってからテレビの前に陣取って、結局DVDを見終わるのに朝までかかってしまった。
父さんが出張でよかった…。それにしても…岡本が合宿!とか言ってのも分からないでもないな…。
「どうやった?」
昨日と同じ場所同じメンバーで三人は机を囲んだ。
「問題の傾向は分かったと思う。すごい難問ってわけじゃないね」
岡本の問いかけに答えた東雲の声は自信ありげにしっかりしていた。高校生相手だけあって一般的な常識や広く知られたこと、教科書や参考書を熟読していれば解答できそうな問題がほとんどだ。
「せや! 問題自体は難し~はない」
「けど、答えるまでが長いねんな~、この番組」
仙頭が渋い顔をして腕組みをした。東雲も少々息を吐いた。なんせ、解答するまでに百メートルをタイヤを引いて走ったり、巨大なカード合わせをしたり、料理を作ったり、様々な試練を経てようやくそのチャンスを得るコーナーが散りばめられているのだ。
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