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「せやから、体力とチームワークが大事や。この番組のコンセプトは“頭でっかち、力こぶ、結びつき”や。この三つを持ってて、さらに運のあるトコが勝つねん」
「………」
さっきとは裏腹に東雲の顔からまったく力がなくなってしまった。
体力とチームワーク…。後、ひと月半ぐらいだよな、予選まで。うわ。望み薄くないか…?
「東雲、目ぇ死んでんで。イケるか?」
仙頭がからかい半分心配半分の複雑そうな顔つきで、東雲を覗き込んだ。
イケるかって…よく聞くけどわかんない言葉だよな。イケるってなんだろうな。どこへ行くんだよ。
一瞬、呆けていた東雲の頭は遠いところで全然関係ない関西弁の謎に挑んでいた。
「じゃ、とにかくや、今日からランニングすんで。体力ガッツリつけんとな!」
勢いよく椅子から立ち上がった岡本に頷く仙頭。
「えええ~~~!!!」
なんだソレ! 聞いてないぞ! デジャブか!
東雲はランニングでへばって、目の前がくらくらする幻覚を今から見ていた。
「でも、まずは役割分担や」
岡本がまた椅子に座り直した。
「分担?」
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