第14話 運動オンチ's転校生inスポ根グラウンド

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 体育館から一直線で走ってくる西門の姿が汗で霞んで見えた。  西門、速! ここまで秒かよ! 「何してんねん、東雲」  不思議そうな顔。  そりゃそーだよね。気になるよな。運動オンチの俺がこんなことしてたら。そういや、西門に引っ張られて体育館まで走ったっけ。あれは転校したての頃だ。ホント、西門は足が速くて力が強いよな…。  ぼんやりと考える東雲はすでに酸欠かもしれない。足を止め、前かがみにゼーゼーと息を繰り返す。 「いや、ちょっと体力を…つけようと…思ってさ…」  息も絶え絶えになりながらもそう返答する。 「…ほりゃまあ、ええこっちゃ。けど、ちゃんと水分補給してるか? わいも一緒に走ったろか?」  西門に渡された飲みかけのポ〇リスエットがすごく嬉しい。一口、飲むと喉と胸の温度がスッと下がった。  なんだか美味しい…。〇カリって関西と関東じゃ、使ってる水が違うんだっけ…。味も違うのかな。  少し息の落ち着いてきた東雲はずり落ちそうな眼鏡を掛け直した。そして、ようやく西門をまっすぐに見上げた。 「ありがとう。でも、西門じゃ、早すぎるよ」 「お~い! 東雲~。行くで~」
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