第2話 美形's転校生in関西's男子校

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「あ、真鍋(まなべ)っち、来たで」 「起~~立!」  しばらくざわついていると担任がやってきて、朝のホームルームが始まる。東雲は小声で西門の背に文句を呟いた。 「あのねぇ、俺は、お礼に君に教えたんだよ? 何で他の人に…」 「出来るヤツが出来へんヤツに教えんのんの、何が悪いん? 別に競争やないねんから」  不思議そうな横顔。言葉に淀みはない。西門はフィと前を向いた。 「…そりゃ君には競争じゃないだろうけど」  悔しそうに口走ってから、東雲はハッとして俯いた。  …いや、君が相手にならないとかじゃなくて…。 『勉強の仕方? 教えるはずないじゃん! 順位が落ちたらどうしてくれるんだよ』 『風邪でもひいて、試験休んだらいいのに。そうしたらライバルが一人でも減るもんな』  うわ…。嫌なコト、思い出した…。超進学高のクラスメートだった連中の声が、ふと頭を掠った。  模試の前、みんなピリピリしてたっけ…。声もトゲトゲしくてさ。何か、表情も教室も、暗かったな…。
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