第14話 運動オンチ's転校生inスポ根グラウンド

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 座り込んでいた頭の上から声がして、東雲は驚いて上を向いた。  覗き込んでいるのは白衣を着た若い男だった。少々顔が四角く、口角の上がった口許と二重の目が優しそうな雰囲気の男だ。歳は30ぐらいだろうか。 「あれ? 君は確か転校してきた…。僕は立花。養護教諭だよ」 「…あ、保健室のセンセ?」  東雲が慌てて立ちあがろうとすると、立花は肩を押さえてそれを止めた。そして、振り返ると校舎の一角を指さした。 「あそこが保健室。君がボールに当たりそうになったのが見えたんだ」  ああ、それで。うわ、みんなに見られてたよな~。あんな真ん中だもんな~。 「日頃運動していない人間が急に走ると、酸欠で頭がぼーっとすることがあるんだよ」 「ああ、そうなんですね。…なるほど…」  で、俺、気が付かずあんなトコまで迷い込んだんだな。  納得した東雲は何度も頷いた。 「保健室で休んでいくかい?」  いや、さすがにそこまでは…。 「ありがとうございます。でも、もう大丈夫ですから…」  東雲は立ち上がって胸の前で小さく両手を振った。 「そう? じゃあ、調子が悪かったら、遠慮しないで保健室においでよ」
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