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クイズ問題の入った封筒を遠くまで走って取りに行くコーナーだ。だが、持って帰っていざ封筒を開けてみて、“ハズレ”と書いてあると、無効としまう。まさに運頼みだ。
「けど、言うてもしゃーない。運が良くなる方法、考えてーや。東雲」
下の段に座っていた岡本が振り返って東雲を見上げた。
「無茶言うなよ。ノーベル賞モンだよ、それ」
仙頭が差し出したチョコレートの小粒を幾つか取って、東雲が呟いた。
「東雲~。飯食いに行こ~!」
午前中の授業の後の礼を終えた途端、立ち上がった西門が大声で手を振って東雲を誘う。
「そんな大声出さんでも聞こえるやろ~?」
「普通に話しても声、デカいのになぁ」
近くの生徒からからかわれても西門は気に掛けない。
恥ずかしい奴…。東雲もそう思いながらも、まんざらではない。ここのところ、昼休みもあの2人と過ごすことも多かった。
「お、東雲~。学食行くんか?」
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