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西門はモノマネで右手を振って叫んで見せた。
ああ、それで西門もずっと学食なんだ。お弁当作るの大変だもんな。
西門は大盛りの中華定食、東雲はカレー(小)を頼み、ワイワイとやかましい学食の一角に席を取った。最近は随分と慣れて、東雲もようやく人の動きや流れを読めるようになってきた。
「な~、東雲」
ちょっと不思議そうな声。
「最近、仙頭らと仲ええな」
ギク、と東雲の手の動きがとまり、開けかけていた口はパクンと閉じられた。
来た! 来た来た来た来た~~~! そりゃまあ、そうだよね。気になるよね。いきなり仙頭や岡本と一緒にいるもんな。
西門の様子をうかがうように見上げる。
「…う、うん。まあね…結構、気が合うよ。2人とも物知りだし…」
ここはうまく切り抜けないと…。西門のために点を集めるとか、そのためにクイバトに出るとか、知られない様にしないと…。
「へ~。東雲が楽しいなら、そりゃええこっちゃ!」
意外そうな表情を見せたものの、西門はそれで納得したのかニパッと笑いラーメンをすする。そして同時にチャーハンの皿を引き寄せる。相変わらず旺盛な食欲だ。
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