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「ほな、一時間目から遅刻すんなや~」
担任の気の抜けたような声。東雲は気持ちを切り替えて顔を上げた。
真鍋センセって…ちょっと変わってるよな。O阪だからかな。それとも私立だからか…。
ひょろっと痩せて、ジーンズにTシャツ。細いストライプの織物のベストはどこかの民族衣装のようだ。30を少し越えたあたりだろうか。伸び放題の長い髪を後ろに結んで、いつもサンダルを引きずっている。
何だか、いつもダルそうだなあ。無精ひげの頬がこけてるせいでそう見えるのかな。
出席を取ったら、真鍋はさっさと去って行った。
それだけ? なんか、あっさりしてるなあ…。進学高ならもっと勉強のハッパかけたり…。ま、いいや。前のガッコのことは。
それにしても、一時間目の遅刻って…?
担任が消えると同時に、皆が一斉にガタガタとやかましく椅子を蹴って立ち上がった。
「え?」
そして、その場でどんどん服を脱ぎ始める。
「ええ?」
ここが男子校だと東雲が改めて感じた瞬間だ。皆、口々に喋りながら紺の体操服とジャージに着替えていく。
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