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もぐもぐと頬を一杯に膨らせたリスのような顔つきのまま、西門はニヤっと笑った。
「そんなん、簡単や」
ごくん、と飲み込んで西門。
「え?」
「まずはちゃんと食うて、よ~寝るこっちゃ」
「……」
「ほんで、くよくよせーへん」
「……」
「そんで、決めるこっちゃ。わいみたいにな、NBA行くん、決めてるから」
「……」
「そしたら、チャンスを逃せへん! せやろ?」
東雲は呆けたように西門の顔に見入っていた。全身に鳥肌が立ったような気がした。
すごい…。すごいよ! 西門。なんかゾワゾワする!
見る間に東雲の頬が紅潮する。
なるほど…。まずは体調管理、いつもポジティブ思考、そして明確な目標設定。この三つをキチンとこなして実行すれば、確かにチャンスを活かせそうだ。
だからきっと…。西門は運を引き寄せただろうし、今回のことでもメゲないんだ!
「さすがだ! 西門。君って、ホントにすごいね!」
いきなり立ち上がった東雲の明るい表情と叫び声。西門は少々驚いたものの、頭を掻いて照れ笑いを浮かべた。
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