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仙頭に肩を小突かれて東雲は頬の辺りを撫でた。
「そんなつもりは…。なあ、あの感じの悪いヤツ知り合いなのか?」
「中学の時のクラスメートなんや。感じ悪いけど頭はエエで」
「あのさ、俺のこと秘密兵器とか言うの、やめてくれよ」
「なんでや。ちょっとビビらしといたらエエねん」
「けど…」
前にもそんなこと言ってたな、岡本は。根拠なさすぎだろ。
「そのうち分かるって」
3人がそんなことで時間を潰している間に校庭の隅に設置された舞台に人が上がり始めた。アナウンスが空に通る。
「“全国で戦国だ! 高校生激戦激闘クイズバトル大会”の出場選手の皆さんは10分以内に入場印と①から③のシールを受け取ってください。シールは1人1枚ずつお持ちください」
岡本が東雲に①のシールを手渡した。
「ほい、①は東雲な。②は仙頭。俺は③や。参加順でそういうことでええやろ」
俺が①か…。なんかちょっと責任重いけど誘ったのは俺だもんな。西門も今頃、試合会場に着いたかな。頑張ろうな、お互い。
東雲は空を見上げた。底抜けに明るい青い空はそのまま西門の笑顔を連想させた。
ん? んん? 何か視線を感じる…。
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