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「朝から体育って最悪やんな」
「太田センセ、怖いもんな~」
「今日、なんや?」
「バスケやって!」
「……」
えええ~!! 教室で着替えるのか? 嘘だろ!
東雲は戸惑った。以前の高校では、もちろん更衣室で着替えていたからだ。
「次、体育やで。早よ着替えや。どないしたん?」
能天気な西門の声が上から降ってくる。もちろん、目の前の西門もどんどん服を脱ぎ散らかしていく。
「えっ…。あの…」
どうしよう…。いや、着替えるけど…。
何で自分が慌ててるのかわからない。狭いロッカーの通路とは違い、ここはどこまでもオープンな空間だ。なのに、皆、あっけらかんとパンツ一丁だ。
「なんちゅ~派手なパンツや! 西門」
誰かが呆れたような声を上げた。
「はは! ええやろ! おニューやで~!」
両手を腰に当てた西門が胸を張る。そのボクサーパンツは赤と青の大きな水玉模様だ。隣の男子がすかさず突っ込んだ。
「黄色があったら信号やんか! 俺は、見てみ! サメ柄や! 〇遊館で買うたんやで!」
「嘘、こけ~! 去年の遠足ん時、ほんなん売ってなかったで! 俺はO阪名物、串カツ柄や!」
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