第15話 お江戸's転校生inクイバト関西予選 その①

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 その時、周りが一気にザワザワとし始めた。朝礼台の辺りに作られた、10m四方程度の舞台の上には“全国で戦国だ! 高校生激戦激闘クイズバトル大会”と大きな看板が掲げられている。そこに誰かが現れた。  途端、ワーッ!と歓声が上がる。やっぱり黄色のスタッフTシャツを着た中年の男だ。O阪の放送局のアナウンサーらしい。 「高校生諸君!! “全国で戦国だ! 高校生激戦激闘クイズバトル大会”関西地区予選にようこそ!!」  おおーっ!! 皆が手を上げて飛び上がって声が嵐のような渦になる。千人の叫び声だ。  うわ…。すごい迫力…。耳が痛…。地響きみたい…。  DVDで見ていたものの、そのど真ん中にいて東雲はあたりのエネルギーに圧倒されそうになった。 「さ〜! 関西代表を決める時がきたで!! 本戦、東京へ殴り込むで~! みんな、用意はええか~!!」 「おおーっ!!」×大勢。  アナウンサーは大げさな動きで腕を回し、一点を指さした。 「よっしゃあ! まずは第1問や! それぞれの番号のシールを胸に貼ってや! ええか~①の奴は、あそこ、あっこに問題がある! あっこへ行け~!」
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