第2話 美形's転校生in関西's男子校

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 他に柄あったん? どこの店や! 教え~や! 尊敬と感心の声が飛び交う。 「○○商店街の××洋服店! オカンの行きつけや!」  阿部が自慢気な大声で披露する。  おお! あのおばちゃんに人気の商店街な。穴場やんな! 行ってみるわ! 俺も欲しい! ザワザワとさらに騒がしくなる。  うわぁ…。なにこれ…?  東雲はさらに呆気にとられて、固まってしまった。  もしかして、来週はみんなO阪名物のパンツで…。くらくらする…。 「東雲、どしたん。安す過ぎてビビってんのか~?」  阿部が東雲の前でくるりと回って、親指を立てて見せた。 「おもろうて安いって、(すご)ない?」  もしかして…安く買ったの、自慢なのか? 東京は…どっちかと言うと…高い方が自慢だったような…。 「東雲。早よ着替えな。マジで時間ないで!」  西門に肩を掴まれ、東雲はハッとした。 「う、うん。わかった。先、行ってて」  やっぱり気恥ずかしくてノロノロする東雲。人が減るのを待つ魂胆だ。
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