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不思議な節の付いた数え方だ。しいて言えば英語のABCの歌みたいに。
東雲がそんなことを考えている間に。西門の声はどんどん進んでいる。しかも、周りのみんなが西門の声に合わせて、着替えながら同じように数え始めた。
「しーち↓ はーち↓」
「数えるの早すぎ!」
焦らせるなっ! こっち見るなって! 東雲の苦情などどこ吹く風だ。
「きゅうう↑↑ じゅゅゅーーう↓」
西門が数え終わる。
「鞄、ロッカーに入れるねん!」
教室にはもう誰もいない。東雲が鞄を投げ込んだロッカーの鍵を掛けると、チャイムが鳴った。廊下へと走り出る。西門はとっさに東雲の左手を握り、また走り出した。
「あ~もう!」
早い! 早いって…!! 離せ~~~! 何でそんな力で握るんだよ~。
振り払おうにも西門の力は強い。走るスピードも落ちない。体育館の入り口まで西門は手を離さなかった。
体育館では、体育教諭の太田が仁王立ちして彼らを待っていた。
「太田センセ~! 転校生、連れて来ました~!」
西門は東雲を半ば引きずらんばかりに引っ張りながら、右手を大きく振った。
なんや、二人、漫才みたいやな。誰かがそんな事を呟いて、遠くで爆笑が上がっていた。
今日の教訓②
関西人、安く買えたら自慢ネタ?
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