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第3話 文科系's転校生in運動系's体育館
体育館の大きな扉の前。貫禄ある体格の無精髭の教師が二人を睨んだ。5分刈りのいかつい顔。繋がったみたいな太い眉だ。
「西門、そんな大声出さんでも見えてるわ」
まだ寒いのにTシャツ一枚って…。何か、熱血体育教師って感じ…。うわ、苦手なタイプかも…。
「ぜ~ぜ~。すい…ませ…ん。…場所、迷って…」
く、苦しい…。手、放せって…。
屈みこんで息も絶え絶えで呟く東雲。座り込まんばかりだ。隣にはケロッとして立つ大木みたいな奴。
何で…こいつ…、こんなに全力疾走して平気なんだ~! くそ~っ!
「大丈夫かいな。体力ないな~、自分」
呆れたような西門の声が降ってくる。
ほっとけ! スポーツ推薦と一緒にすんな!
もちろん、言い返す気力はない。ようやく大きな手が東雲を離した。
整列!の号令と共に二組合同の八十人ほどの男子が並ぶ。東雲はとうとう入り口付近で座り込んでしまった。
太田が東雲を覗き込んで軽く首を振った。
「しゃ~ない。初日やから大目に見たるわ。そこで休んどり。西門、そいつはお前のチームな。休んどる間、二人分動けや」
「ハイッ」
威勢のいい返事と共に、西門は東雲に青いタオルを放って笑った。
「持っといてや~」
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