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助かった…。もう無理~。案外いいセンセなのかも…。
それくらい、東雲はへなへなだ。へたり込んでゼイゼイと息を繰り返す。
二人一組の柔軟体操が済むと、ゴール練習が始まった。その後、広い体育館内で全コートを使ってバスケのトーナメント戦が始まった。
「……」
ようやく息が収まってきた東雲は、少し離れた入口辺りからゲームを眺めていた。
あ、ぶつかった。跳ね飛んだ…。転んでるし…。うわ、肩、思いっきり当ててないか?
なんか…激しいな~。さすが男子校。でっかい犬の子がぶつかり合うみたい。容赦ないな~。
「どけどけどけどけーーー!!!」
「誰が行かすか! ボケー!」
あっちこっちで怒号と共に派手な衝突の音。ダンダンと床を踏み鳴らし走り抜けていく生徒たち。激しく転がって、足を掛けたの掛けないだのと言い争いも始まる。
「やったな!」
「ボケっとしとるからや!」
コート周りの応援にも熱が入り、怒鳴り声と歓声が響く。
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