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「いてまえーー!!」
「ギタギタにしたらんかい!」
「お前らケンカすんな!」
なんか、ガラ悪…。太田センセ、あっちでも怒鳴ってる。体育会系が多いのかな…。
目いっぱい引き気味の東雲は、違うコートに視線を向けた。
「あ、西門…」
コートの隅から走り出した西門が、何人もの生徒の間をすり抜ける。息一つ乱れた様子もない。東雲の分、相手チームより一人少ないはずなのに、まるで大人と子供のゲームのようだ。
なんかコート、狭…。シュートの網…なんてったけ…。リングだ。案外、近いな…。
そう感じるのは、西門の身体のでかさと動きの速さのせいだ。だが、スコアはさほど離れていない。注意深く眺めていると、相手チームのシュートはトリプルスコアで得点されていた。
「…? 何で?」
ピピーーーッ。
ホイッスルの音が鳴り響く。チームが入れ替わり、次の試合が始まる。
こういうトコ、きびきびしてるな~。何だか、力一杯って感じ。前のガッコとえらい違い…。
西門が走って帰って来た。東雲が慌ててタオルを差し出すと、サンキュ、と礼を言って汗を拭く。
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