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「どない? 東雲、次の試合出れるか?」
「ああ、うん。…なあ、何で相手チームにはあんなに点が入るんだ?」
東雲はスコアを指差して、不思議そうに西門を見上げる。
「そっか…東雲、体育のバスケ初めてやもんな~。あれは、わいのハンデや」
ニカッと笑った口元から得意そうな八重歯が覗く。
「ハンデ?」
ああ、西門はバスケのスポーツ推薦だったっけ…。授業中までハンデなんて…。厳しいんだな~。
「大変なんだね…」
しみじみ言った東雲。西門は思いっきりガッツポーズをして見せた。
「そや! 3年なるまでには、×4スコアにしたんで~!」
目を輝かせて笑いかける。東雲は唖然とその顔を見上げた。
え? それ、どういうこと…? それだけ、西門が強いってコトか? 普通の生徒じゃ相手にならないくらい。
どうやら同情する意味合いのものと反対らしい。それが、ようやく東雲にもわかった。
「こら! そこの転校生! 良うなったんか~! 柔軟しとけ!」
太田が二人の方に怒鳴った。
「おおっと。さっさとしよ」
「了解」
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