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『クイズ王子の活躍が楽しみになってきましたね! さあ、果たして王子は勝ち残れるんでしょうか! 続きはコマーシャルの後で!』
ややテンション低めのMアナのアップでCMに切り替わる。
は、恥ずかしい…! 何だ、これ! 何だよ、甘酸っぱいとか青春とか王子とか…! うわあ、どっか痒くなりそう…。
東雲は思わず両手で顔を覆った。とんでもなく顔が熱い。
顔から火を噴きそうってこんな感じなんだな…。
「ナイスやで! 映るとは思っとったけど、こんなに取り上げられるなんてな~! 全国の視聴者の好感度∞や! よっしゃあ!」
岡本が立ち上がってガッツポーズをとった。
「冗談だろ…」
「いやいや、印象に残るってのはエエこっちゃ」
東雲の気も知らず、2人は儲けた儲けたと単純に喜んでいる。時間の経過とともにチームは減っていき、代表を決める最終戦辺りではどの地区も白熱した勝負が繰り広げられていた。
「ここは…このチームが出ると思うで」
いつの間にか、テレビの前に陣取っていた岡本が東京予選を見ながら画面を指でなぞった。
何でや、と仙頭が チョコレートを口にほおり込む。
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