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桃香が両手に返しを持ったまま西門を見上げた。鉄板の上にパンケーキのように積んだお好み焼きがどんどん減っていきソースとマヨネーズがぐるぐる回されている。
「おう、せやで! めっちゃ別嬪でな、頭もエエねん」
「別嬪って、男やぞ。でもテストは学年1や。かなりドンくさいトコあるけどな~」
「そこが嫌み無ぅてええよな。O阪のコト、何も知らんからからかいがいあるしな」
皆が口々に勝手な事を言う。ふ~んと聞きながら彼女はまた鉄板にお好み焼きのタネを流し込んだ。
「始まったで! 敗者復活戦や!」
おお~っと、またテレビの前に皆が重なって雪崩れ込む。西門はお好み焼きを牛乳で流し込み小さく呟いた。
「でも…何でわいに黙っとったんやろ」
ちょっと不服そうだ。すかさず坊主頭の阿部が突っ込んだ。
「西門だけじゃなくて皆に内緒やったんやろ」
「おお、そうか。けど何で皆に内緒なんや?」
「分かるような気ぃするわ。ほなって、恥ずかしいやろ。なんか…」
「あ、問題出たで! 食い倒れ人〇やって!!」
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