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ほとんど点差のないまま進んで行く最終戦。仲間の真剣な面持ちに、彼らも画面にくぎ付けになっていた。
頑張れ~! やった! 1点奪取や! ああ~、先、越された。このデカいのも女の子もやるなあ。接戦やな~。ようこんなん分かんな、すごいわ!
3人が赤いボタンに手を置いて、真剣な表情で問題に聞き入る。叫ぶように答えた東雲に会場の声援が重なる。西門はまた一番前でかじりついてじっと画面に見入っていたが小さく呟いた。
「…東雲、エエ顔しとる」
こんな東雲、見たことない。でも、すごいエエやんか! キラキラしてるわ! 手ごたえがあったんやな。ごっつ嬉しそうや。ワイも嬉しいで~!
ドン! と足を踏む音が響く。東雲が会場を見回していた。降り注ぐライトの光と声援。
『後で彼らに聞いたら、ガッツポーズの代わりに足を鳴らしたそうです』
『なるほど! 会場がそれに応えてくれてますね!』
アナウンサーたちも興奮した声で伝える。最高の盛り上がりを見せた瞬間だった。
「ほんまや、笑ろとる。こんな時やのに」
「楽しそうやな~」
「うん、チョー楽しそうや。なんか、カッコええな」
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