第18話 お江戸's転校生inクイバト関西予選 その④

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 関西担当アナとMアナの会話が続く。画面は切り替わって、ほかの地域の予選決勝を放映し始めた。 「感動したな~。なあ、俺ら、めっちゃカッコよ〜ないか?」  仙頭がほおっと息を吐きながら、しみじみと呟いた。岡本は歪んでしまった紙コップからコーラを飲み干した。 「せやな。上手いこと編集してるのもあるけどな」 「…俺、あの時、夢中だったんだ。…それって、結構気持ち良かったよ」  今までそんなに一生懸命になれたこと、あんまりなかったから。東雲はちょっと赤くなった頬を擦った。少し汗をかいていた。2人は手を伸ばして、東雲の肩や背をバンバン叩いた。 「本戦頑張ろな! 王子!」 「予選よりもっと目立てるで!」 「やめい! 痛いって! 王子もやめろ~!」  3人がじゃれ合っている間に、番組は終盤に差し掛かりMアナウンサーが次回の宣伝を挟んだ。 『今年も強豪の高校生たちが決勝に出そろってきました。これからひと月かけて、スタッフが全国を回り、選手たちの素顔を調査してきます! その映像をお伝えする決勝戦は9月2〇日夜7時から。インターネットでの応援メッセージも受け付けています。どうぞ、本戦をお楽しみに!』
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