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「やめ~や。栗栖。東雲がびっくりしてるやんか」
自分と東雲の肩に掛かった腕を、西門が振り払った。
「俺、栗栖言うねん。さっきはカットでビビらしてごめんやで。次、同じチームになろなっ」
「こいつもバスケ部やねん」
少し屈みこんだ栗栖が頷いて笑った。軟派なイメージの生徒だ。東雲はちょっと目を瞬いた。細面の整った顔に通った高い鼻筋と印象的な切れ長の目。アッシュ系に染めた長めの髪と細い金鎖がクールな美貌を引き立てている。
うわ。美形だな~。こんな生徒、居るんだ、O阪だって。ピアスいくつ開いてるんだろ…。
「俺と組んだら×2やから、まだマシやで」
「ずるいわ、栗栖かてバンバンシュート決めてたやろ。負けへんで~」
東雲の上の方で繰り返される会話。
あ~、やっぱり。なんか、動きが早かったもんな~。ど~でもいいけど、この二人の間で居ると、何か熱いな…。
西門はどこからかラップに包まれた白い粉を取り出した。
「これ、塩。舐めとき。塩分補給したら身体が楽やからな」
西門は先にひとつまみ指で取って舐めて見せた。栗栖も横から指を出してひと舐めすると、じゃな、と駆けて行った。
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