第3話 文科系's転校生in運動系's体育館

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「…ありがとう…。しょっぱい」  脱水予防なんだな…。さすが。  ちょっと驚いたものの、東雲は素直に礼を言って塩を含んだ。 「君…すごく高く飛べるんだね…」  指を唇に置いたまま、東雲はゴールを見上げた。  あんなに遥か彼方なのに…。身体がバネみたいにしなって…NHKの映像みたいだった。まるで宙に浮いて見えたよ。 「…あれだけ飛べれば、欲しいもの、何でも手が届きそうだよね…」  西門なら、きっと届くんだろうな…。 「ははは。そんなん()ーんやったら、この空っぽの頭どーにかしてーや」  肩をすくめ、西門が軽くおどけた。 「そんなことないよ」  東雲も軽く笑った。そして、ふと問うた。 「…ねぇ、君さあ。…転校生にはいつもこんなに親切なの?」 「いや、どやろ…」  首を傾げた西門。 「……。何でこんなに気を使ってくれるの?」  ホント、それが不思議なんだよな。委員とかクラス代表とかでもないようだし…。東雲も首を傾げた。西門はすぐに思いっきりの笑顔に変わる。
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