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「…ありがとう…。しょっぱい」
脱水予防なんだな…。さすが。
ちょっと驚いたものの、東雲は素直に礼を言って塩を含んだ。
「君…すごく高く飛べるんだね…」
指を唇に置いたまま、東雲はゴールを見上げた。
あんなに遥か彼方なのに…。身体がバネみたいにしなって…NHKの映像みたいだった。まるで宙に浮いて見えたよ。
「…あれだけ飛べれば、欲しいもの、何でも手が届きそうだよね…」
西門なら、きっと届くんだろうな…。
「ははは。そんなん言ーんやったら、この空っぽの頭どーにかしてーや」
肩をすくめ、西門が軽くおどけた。
「そんなことないよ」
東雲も軽く笑った。そして、ふと問うた。
「…ねぇ、君さあ。…転校生にはいつもこんなに親切なの?」
「いや、どやろ…」
首を傾げた西門。
「……。何でこんなに気を使ってくれるの?」
ホント、それが不思議なんだよな。委員とかクラス代表とかでもないようだし…。東雲も首を傾げた。西門はすぐに思いっきりの笑顔に変わる。
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