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「いや、あのスペシャルじゃなくても…。フツーので…。で、牧場とは…」
「めっちゃ旨いんやで! いっぺん喰ってみ~て。こう、ハンバーク、ドーン! エビフライ、ガーン! 魚のフライにポテサラ、ドドーン! やで!」
だ~か~ら~近いって! わかった、わかったから! それにそんなに揚げ物ばっかりは…。
東雲の顔にそう書いてあったとしても西門は引きそうにない。上背のある身体が机を越えて更に近寄る。
「あ、それから一応、はぐれた時の為にラインのID教えといてぇや。携帯電話ちょい貸して」
いつの間にか当然のように手には携帯電話。
「はぐれた時って…。そんな広い? ココ」
ちょっとびっくりしながら、東雲は押されて携帯電話を出した。すかさず西門が受け取ってQRコードを写し取る。
「よっしゃゲット! わい、GJや! ひゃっほう!」
え? ど~ゆうこと? なんでガッツポーズ? それ独り言? 聞こえてるけど。あっけにとられる東雲に携帯を返し、西門が窓の外から見える建物を指差した。
「ありがと~な。でな、あそこが食堂や」
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