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「東雲! 写真部に入らんか?」
「いやいや、パソコン部が待ってるで!」
「将棋はど~や? 強いねんで、うち」
今まで話したことのない生徒たちが、一斉に彼のもとに殺到した。
「え? ええっ…?」
な、何で? 今のとこ、何もする気はないんだけど…。っていうか、今までも何もやってなかったし…。前の学校でも帰宅部だったし…。
オロオロする東雲。西門は立ち上がると彼の前に一歩出て、いきなり吠えた。
「ちょっと待ったらんか~い! 考える暇もないやろ!」
西門の背中…広。何も見えない。いや、ありがたいけど…。でも、何でみんな急に…。わけわかんないな、ココ。
「あ~悪い、悪い。でも、ええやんか。ちょこっと勧誘するぐらい」
「美術部も忘れんといて。ほな、順番にしよ! ジャンケンホイ!」
面食らう東雲の横でわいわいと口々に、自分の部をアピールし始める。そこにまた、いきなり大声が響いた。
「邪魔すんでー! 東雲ってやつ、おるか?」
今度は誰だよ。人のコト、呼び捨てに…。聞いたことない声だ。
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