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ああ、そっち関係か…。文句を言いに来たのかな?
何となく、東雲には慣れた感覚だった。
「ああ、じゃあ今まで一番だったんだ?」
「そや。それを鼻に掛けてた賢コやったのに、残念なこっちゃな~」
ふふん、とからかうように笑って肩をすくめる。
え? カシコって何だろう。手紙の最後につける言葉だっけ?
また変な方向へ思考が飛んだ東雲は首を傾げた。
「やかましいわ! アホは黙っとらんかい!」
かなり気に障ったのか、甲高い声が忌々し気に響いた。
なんだコイツ。西門のことアホって…。本当でも言っていいコトと悪いコトが…。
東雲はさらにムッとした。頭の中で、瞬時に仙頭の顔に敵認定の赤いスタンプを押す。仙頭は、つかつかと近寄ってくると、いきなり東雲の目の前に指を突きつけた。
「勝負だ! 東雲」
は? え? 何だって? 勝負…? 何だ、それ。何回目だ。こんな風に思うの。この学校…先が思いやられるような…。
意味が分からず、東雲は当然、あっけにとられる。仙頭はポケットから紙切れを取り出しながら口走った。
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