17人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
学年主任の橋本が怒鳴りながら教室に入ってくる。蜘蛛の子を散らすように生徒たちは一斉に自分の席に走った。数秒後には何事もなかったように平和な教室に戻る。
あー。すっとした! ざまみろ! アイツ、西門のジャンプを知らないのか。アホアホ失礼な!
人知れず、ふんっと鼻息を荒くした東雲は駆け去った仙頭の後ろ姿を睨みつけた。
「絶対、また来んで、仙頭」
横を向いたまま西門が小声で東雲に忠告した。
「いったい何なんだよ、これ」
「まー、点数欲しい時期やからな。ちょっとプレッシャー掛けに来たんやろ」
「点数?」
身体を捩じって片肘をつき、西門は結局振り返った。
「うちのガッコな、クラス対抗の点数ってのがあんねん。誰かが学年一になったり、大会で賞をとったり、何かで認められたらクラスに加点されんねんて」
「へ~。点数溜まるとどうなるの?」
「ほら~いろいろやで。クラス点、使こうて、皆でスペシャルランチ食べたり、体育祭の垂れ幕作ったり、学園祭の模擬店で有利な場所を押さえたり、まあ、相談次第や」
最初のコメントを投稿しよう!