第4話 意地っ張り's 転校生inお節介sクラス①

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 なるほど…。じゃあ、あの仙頭ってやつ、学年一位のクラス点が欲しかったんだ。 「ふ~ん」  だからか。みんなが俺を部に誘ってきたの。何かで点数が取れたら、部費の足しになるもんな。でも…そんなに好きなものってないんだよな…。  東雲は眉を寄せて、その話を聞いていた。  何だか平和な学校だなあ…ここ。嬉しそうだな、西門。でも、そんなお遊びみたいなことより…。 「……」  東雲はため息をついた。彼の考えていることはもう少し深刻だった。 「ん? どないしたん?」  西門が東雲の浮かない顔を覗き込んだ。  前の学校…都内でもトップクラスの進学校だった…。俺、一番になったことなかった。最高でも五番。あの時は…。 『東雲が五番だって! くそっ! 家庭教師変えたのか? 参考書か? 教えろよ!』 『この間、風邪でしばらく休んだの、ホントは勉強してたんだろ!』  青い顔で問い詰めてきたクラスメートの馬場。  …俺が居なくなって喜んでるだろうな、今頃。ライバルが居なくなったって。相変わらず、必死で勉強してるんだろうな…。それに比べて俺はこっちで…。
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