第4話 意地っ張り's 転校生inお節介sクラス①

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 そんな中で、西門だけが、意地になって彼に話しかけようとしなかった。休み時間はどこか遠くの席に移って、チラチラと東雲と周りの連中を眺めている。気になって仕方ないのが見え見えだ。  授業中、彼に向けられた広い背。視界を覆うツンツン毛の頭。  西門って、案外意地っ張りだよな。…別にいいけど。しつこくされなくて快適だよ。 「…邪魔だな…」  黒板が見え辛くて、つい不愉快そうな声で呟く。  もちろん返事はない。時折、すっきりと視界が晴れるときがあった。そんな時は、前に突っ伏した背が気持ちよさそうに上下していた。  寝てていいのか? ココ、大事な数式だぞ。後で頼んできても教えてやらないぞ。いや、それより先に…。先生が…近寄ってきた! 「西門! 起きんかー!」  例によって、数学ⅡBの橋本だ。耳にびりびり響く怒鳴り声。 「うわあ!」  途端、跳ね起きた西門は寝ぼけた目で辺りを見回して頭をかいた。 「センセー。心臓止まるがな。もっと優しーに起こしてーな」
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