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「そろそろパパーっと席変えするか~」
担任の真鍋がそう言い出したのは朝のホームルームだった。
「おおー! やっとかー!」
「まだええってー」
教室の中には歓声とブーイングの二種類の声が溢れた。何にしてもやかましいクラスだ。
「え?」
東雲は思わず目の前のツンツン髪の頭を見つめた。特に動きはない。
真鍋はいつものようにサンダルを引きずりながら教壇を降りた。
「係はくじ作っとけ。昼休みにお前ら、ちゃっちゃっと引いとけよー」
誰かがほ~いと返事をし、そこで話は終わる。
軽いな~。前の高校じゃあ、席変えの度にひと揉めあったっけ…。後ろは嫌だとか窓際は見えにくいとか…。いや、それより…。
東雲は焦った。
昼休みまでに話さなくちゃ…。西門に謝らないと…。席が離れたら、もっと気まずくなるじゃんか。東雲はそっと首を撫でた。
今日の教訓④
もし口を滑らせてO阪を悪く言ったら…即、謝ること!
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