第5話 意地っ張り's 転校生inお節介sクラス②

3/11

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
 けれど、月の末。西門はふて腐れて机の上に突っ伏すことになった。  O阪を地方って。いや、それは許されへんで! O阪はO阪や! まったく東京モンはちょっと都会や思て…。  けど、飽きて来たな~、こういうの。つまらんもん。大概(たいがい)にし~や、東雲。にしても、東京モンは頑固やなー。  もともと、西門は気が長い方ではない。遠くから、ちらちら盗み見る東雲の周りにはいつも誰かが居る。近寄って話かける機会をうかがってはいるものの、チャンスはない。 「圭、そろそろチャイム鳴るで~」  隣のクラスの廊下にもたれ掛かっていた西門に、すぐ側にある窓の向こうの席に座った栗栖が声をかけた。栗栖は言いながらピンク色のリップを出して唇に塗った。 「はよ、D組、帰れや。センセ()んで」  幼馴染は容赦がない。窓枠に掛けた西門の腰を肘でぐりぐりと向うへ追いやる。 「ほなってな~」  珍しく西門のテンションはだだ下がりだ。 「グダグダすんなや。皆、もう席、着いてんで」 「面白がってるやろ、クリ」 「当ったり前やん。俺、今日はデートやから部活の後はソッコー消えんで」  栗栖は形のいい目を細めてケラケラ笑った。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加