第5話 意地っ張り's 転校生inお節介sクラス②

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「…なんや」  うわ、わいの声、感じ悪ぅ…。いかんいかん!  口から出た不機嫌な声に、本人が一番びっくりした。  けれど、聞く気はある。後ろの机に深くもたれかかるような体制で、ツンツン頭がずいっと東雲の方へ乗り出した。それに促されたのか、東雲の囁き声が続いた。 「…この間はゴメン」  西門は目を瞬いた。  お、案外、素直やな。えーと、何て言うたらええかな。もう、怒ってへんで、でええんかな…。なんのこと~? がええかな。それとも…OKOKOK牧場にしよっか?  西門がうろうろと考えてる間に、東雲は口走った。 「…俺…進学のことで…頭が一杯で…。やっぱり東京の大学に…って…」  少々(うつむ)いての、二人だけにしか聞こえないような小さな声。 「ふうん。東京ってそないええん?」  そら、しゃーないわな。いや、気ィ悪うしてないで、ホンマ。そら、暮らしてたトコはええやろー。わいやってそうや。ここが一番(いっちゃん)好きやもん。  なのに、息だけの返答は機嫌が悪そうに聞こえた。少々焦った東雲の声。 「…家族が離れ離れだから…」 「家族が?」 「俺、父さんの転勤についてこっちへきたけど…。弟と母は東京に残ってて…」
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