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そんな寂しそうな顔されたら、なんや胸の辺りがズンッてなったわ。ほら家族がバラバラなんは辛いよな。よっしゃ! わいが何とかしたる。つーか、わいにドーンと任せとき!
「とにかくな、うまいもんぎょうさん食って、めっちゃ笑ろて、よぅ寝たら明日は明るいねん。オカンがよぅ言うとる!」
西門は小声ながらも、手でたこ焼きを焼く仕草をしながらまくし立てた。
「オカン…」
東雲は逆に首を傾げた。
「オカンはお母さんのことやがな~」
「あ、そうだね。たこパといい、O阪って略語が多いね」
あちゃ。東雲は妙なところ、気にすんな~。何か、調子狂うわ。まあ、ええわ。
「今日放課後、部活終わるまで待っとって。一緒にウチでたこパしよ。決まり!」
なんや? なんやて? タコパの言葉に周りの連中も聞き耳を立て、小声で乗ってくる。ざわざわと低いざわめきが波のように広がる。
「東雲のO阪歓迎たこパ! パーっと、すんで! 今日、わいんち来れる奴、来いや!」
「おお、ほら名案やな~。西門」
白髪の少々くたびれた背広の教師が二人を覗き込んだ。
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