第5話 意地っ張り's 転校生inお節介sクラス②

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「言わんでええがな、そんなん」  こんなん、当たり前やん。ツレなんやから。でも、東雲のうれしそうに笑ろた顔、可愛いいな! なんやろ、この辺りホンワカ温っかいやん。  ちょっと顔を赤くした西門が胸の辺りを撫でた。  昼休みの終わり、席替えをすると西門と東雲は遠く離れた。西門は少し後ろへ、東雲は反対側の廊下ぎわだ。 「あ~。残念やなぁ、東雲。まあええわ。また来月な!」  ほら、近い方がええけど。けど、席が遠かったってツレなんは変われへんもんな。  西門は机の中に詰め込んでいた教科書やノートや弁当箱を抱えて窓際の後ろの方へ移った。机の上にそれを積んでから、西門はぐるっと辺りを見回した。  東雲はと…。今度の前の席は佐々木か。あいつもええやっちゃ。しかし、東雲も律義やな~。周りの連中にちゃんと挨拶して。引っ越しやないねんから…。 「よろしく」  東雲は前の生徒に声をかけた。 「お、よろしくな~。俺、佐々木や」  前の席は細い垂れ目の、ちょっと華奢な生徒だ。やっぱり振り返って話しかける。制服のシャツの上に、空色のジャージを引っ掛けている。陸上部、と白い字が胸と背中に貼ってあった。
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