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買い物といえば、東雲には○城石井や○坂屋のようなスーパーや百貨店のイメージが強い。そんな彼は興味津々で西門と周りの会話に聞き入った。
「★★★★」
「○○○○」
行きかう人々は作業服や普段着が多く、皆がケンカ腰のような大声でワイワイ話している。けれど何を喋っているのか余りに早口過ぎて東雲にはよくわからない。
ここ、日本だよなぁ…。
ずれずれにズレた東雲はちょっと心細くなるほどだった。
「あ、じゃ、何かデザートでも買うよ。ええと…これはどう?」
手ぶらだとさらに居心地が悪いような気がして、東雲は近くの店に駆け寄った。ダンボールの台の上でプラスチックの薄汚れた青いカゴに盛られたリンゴ。
カゴって…珍しいな。普通はラップで巻いてトレイに入れてあるもんな。でも、美味しそうだし。これ、手に取ってもいいのかな。東雲にはスーパー以外の買い物システムがよくわからない。
「ええって、そんなん」
「でも、ホントに、そうしたいんだ」
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