第6話 関東's転校生in本場たこパ

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 西門がふふん、と胸を張った。 「そや、タレはいっぱいに入れるんや。そこが腕の見せ所やで~」  これで丸くなるのか? だいたい切れ目がないし…。  東雲は、物珍しそうにじっとその様子を眺めている。たこ焼きを作るのを見るのは初めてだ。 「ソース、(なん)にする? まずはたこ焼きソースやな。出汁につけて食うんも旨いで」  醤油もイケんで。いやいや、ポン酢も捨てがたい。マヨネーズは必須やで。と、一押し意見と調味料がわいわいとテーブルの上で揉み合う。 「ほら、アンタら、もう裏返さなあかんのとちゃうか? そこ」  換気扇の前でタバコを吸っていたヒョウ柄母さんが、(あご)でたこ焼き器を指し示す。言われた面々が、一枚の焼き物に見えるたこ焼きを細い鉄の棒で切っていく。そして、はみ出した部分を器用に折り込んでクルリンと回し裏返すと、次々とたこ焼きは丸くなっていった。見ていて飽きない。 「すごい! みんなうまいんだね! 俺にもやらせてよ」  東雲にしては珍しく自分から手を伸ばしたものの、西門にさえぎられた。 「ま~まず、食うてからにし~や。腹減ったやろ」
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