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評論家さながら、そんなことが頭の中を駆け抜けていく。熱くて口の中でたこ焼きをはふはふしたものの、ぱあっと明るくなった東雲の表情で伝わったのか、西門が自慢げに胸を張る。
「旨いやろーー?」
そして、大きな皿を東雲の方に引き寄せた。テーブルにはなぜか、たくさんのおにぎりがある。
「あ、これも食べや。東雲。さっさとせんと無くなんで」
「あ! 俺も!」
「何個、食うてるねん!」
ワイワイ言いながら四方から伸びてくる手でどんどん減っていく。
え? たこ焼きがオカズ? 炭水化物×炭水化物。これがたこ焼きパーティー?
「熱っつ…。あはは」
何だかよくわかんないけど…。何か、もう、俺の常識越えちゃってる。スゴイや。
東雲は久しぶりに声を上げて笑っていた。
次を頬張ろうとした東雲が、熱い上に楊枝がうまく使えなくてたこ焼きを取り落とす。そんな些細なことが可笑しくて、皆でゲラゲラ笑った。
たこ焼き鉄板に大きく切ったタコを投入しながら、井藤が言った。
「なんや、そんな風に笑うと東雲、可愛いなあ」
ホンマ、ホンマと皆も笑った。
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