第6話 関東's転校生in本場たこパ

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「たこ焼きソースで食うんや」  甘いソースと卵の香りと香ばしい焼きそばの匂いに、東雲の喉がごくりと鳴った。一口頬張って、東雲は思わず叫んでしまった。 「うわ! これもおいしい~!」  自分の手柄のように、井藤が親指を立てて突き出して見せた。 「そやろ! 東雲は食いモンには素直でええわ!」  ちょっとピリッとした辛めのソースに、ほどよい歯ごたえのキャベツ。ところどころカリッと焦げたソバに絡む、とろりとこくのある卵の甘味。  たこ焼きにお好み焼きに焼きそばに…O阪って、小麦粉の美味しいものが多いんだな~。 「たこ焼きのネギは、細い青いみじん切りが旨いんやで」  隣の席でたこ焼きの鉄板にネギを散らしているのは、黒縁メガネにちょっと困ったように眉尻の下がった生徒だ。顔と髪型はなんとなくナスに似ている。 「へえ。ネギにもこだわりがあるんだね~」 「そりゃそや。O阪は食い倒れの街やからな。そや、東雲。今度、バスケの試合あるから見に()ぇへんか? 俺、宇野や。西門と同じバスケ部で、栗栖と一緒のC組や」  振り返った宇野の眼鏡が鉄板からの湯気で曇っている。
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